3号警備とは、現金や貴重品などを運搬する警備のこと。銀行などの高額現金輸送や美術品、または燃料物質などの危険物などもその範囲になります。
輸送警備業務は、盗難や事故を防止する役割を担う重要な業務です。そのため、ほとんどの警備会社では正社員の仕事となっています。
また、運搬警備業務は2つに分けられ、現金や貴重品などの運搬をおこなう「貴重品運搬警備業務」と、核関連物質など危険物運搬の「核燃料物質等危険物運搬警備業務」になります。
輸送警備業務は、運転を含む警備と輸送のセットを一つとした業務が1点。もう1点は警備のみをおこなう業務です。
運転も一緒におこなう場合は、特殊車両を運転するケースもあるため、運転技術も求められます。また、車だけではなく、飛行機などを利用して輸送する場合も。
また、高額な金銭、貴重品を扱うため、強い精神力と責任感がないと務まりません。警備にあたる際は、防護服に身を包み、警戒杖と盾を装備。万が一に備えます。
さらには、警笛やペイント弾などを持ち、犯人が現れた際には逃がさないように準備を怠りません。
一方、貴重品などを積みおろすときにだけ警備する場合もあります。
運搬警備員には警戒4原則というものがあります。それが以下の4つです。
この4つの原則は危険度の高い業務を遂行するときのルールとなり、厳しく守られるものです。
「止めるな」は、運搬車両を止めようする人物がいても、基本的に車は停止せず、運転を続けます。
「乗せるな」はどのような場合においても、知らない人間を乗せてはならない。
「離れるな」は業務中に絶対に車両から離れてはならない。
「開けるな」は絶対に車両の窓を開けてはならない。なぜなら、強盗などによる催涙スプレーやその他の攻撃を受ける可能性があるため。
以上のようになっており、厳しく守られています。
現金輸送警備は、銀行などから現金を輸送する業務を担います。専用車両に現金を積んで防護服や警棒などの装備をして輸送します。
また、輸送車自体を運転したり、ATMの装填業務をおこなったりと多岐にわたり業務を対応。決められた時間どおりに決められた工程をおこなうため、正確な仕事が求められます。
高額の現金や貴重品をあずかる仕事のため、誰にでも務まる仕事ではありません。
しかしながら、やりがいも多くあります。警備経験者だけではなく、未経験からの応募もあるため、警備会社の募集要項を確認して挑戦してみるのもよいでしょう。
2021年度の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、警備員全体の給料平均は次の通りでした。
その中でも輸送警備員などの3号警備の平均年収は、正社員の場合ですとと300万円から400万円と、警備員全体の給与の平均とほぼ変わらない水準を保っています。
運輸に関わる3号警備は、1号警備や2号警備とは異なり、普通自動車免許を持っていなければ採用されないことの多い仕事であるため、報酬面でも1号や2号よりも待遇の良い傾向が見られます。
ただし、3号警備の求人数は1号2号に比べて多いとは言えないのがデメリットです。
3号警備の年収について地域別のデータは見当たりませんが、警備員全体としての地域別の給与では、中国地方が高い傾向にあり、特に島根県では405万円と最も高額な年収になっています。関東の平均年収が369万円であり、最も年収が低い長野県では283万円ですから、警備員の給与を全体的に見ると地域によってかなり開きのあることがわかります。地域によっては警備員の仕事ではなくほかの職も候補に入れるなどし、柔軟に検討する必要がありそうです。
3号警備もほかの警備の仕事であっても、正社員として長く務めると年齢によって平均収入には差が見られるようになります。20代から70代までの中でどのように年収が変化するのかを追ってみましょう。
3号警備である輸送警備業務は高額の現金や高価な貴重品を運搬するため、強い警戒態勢の中での勤務が求められます。
強盗や窃盗といった者に対しての準備を怠ることなく、万が一に備えることが必須です。そのため、責任感が強く、強靭な精神力を持っている人に向いている警備業務といえるでしょう。