警備員は、施設やイベント、公共の場における安全を守るため、日常的に緊張感を持ちながら業務に従事しています。その中でも、不審者への対応は特に難易度の高い業務の一つです。不審者とは、異常な行動や危険な兆候を示し、周囲の安全や秩序を脅かす可能性のある人物のことを指します。警備員は、冷静かつ適切な対応で安全を守るだけでなく、現場での誤った判断によるリスクを抑える必要があります。
不審者対応の第一歩は、周囲の異常をいち早く察知する能力です。通常の警備業務では、施設内やイベント会場の状況を常に注意深く観察する必要があります。異常を発見した際には、その場で即断せず、冷静に状況を把握することが求められます。
例えば、不審者と思われる人物が建物内で目的もなく歩き回っている場合、その挙動が偶然なのか、それとも意図的なのかを慎重に見極める必要があります。服装が不自然に厚着であったり、帽子やサングラスで顔を隠しているようであれば、さらに注意が必要です。観察する際には、不審者から一定の距離を保ちながら安全を確保し、自分自身や周囲の人々に危害が及ばないようにします。
不審者を発見した場合、警備員は単独で行動するのではなく、チームで対応することが基本となります。まず、警備責任者や同僚に状況を報告し、情報を共有します。このとき、報告内容には不審者の外見や服装、挙動、位置、そして不審者が行った具体的な行動を含めることが重要です。
たとえば、「建物の北側出入口付近で、20代から30代の男性が不審な袋を抱えながら周囲を伺っている」といった具合に、客観的で具体的な情報を伝えます。情報が共有されることで、チーム全体が状況を把握し、適切な行動計画を立てることが可能になります。
不審者への対応を進める際、直接の接触が必要になる場合があります。しかし、ここで重要なのは、接触する際の言動や態度です。不審者を無闇に刺激するような言葉や態度は絶対に避けるべきです。落ち着いた口調で、相手に安心感を与えるように接することが求められます。たとえば、「こちらで何かお困りでしょうか」といった、相手の行動を責めるのではなく、状況を聞き取る形の声掛けが適切です。
もし不審者が警備員の制止に応じない、あるいは危険な行動を示した場合、すぐに警察へ通報します。通報時には、現場の正確な位置、不審者の外見や行動、周囲の状況を簡潔に伝える必要があります。その後は、警察が到着するまで現場を安全に保つことに努め、第三者が巻き込まれる事態を防ぎます。
警備員には「私人逮捕」という法的な権利が与えられています。これは、現行犯の違法行為が確認された場合に限り、不審者を一時的に拘束する行為を指します。ただし、この逮捕権を行使する際には厳格な条件があり、判断を誤れば逆に法的な責任を問われるリスクがあります。
例えば、不審者が施設内で窃盗行為を働いた現場を押さえた場合、警備員は私人逮捕を行うことが可能です。しかし、逮捕後は速やかに警察へ引き渡す義務があります。また、逮捕時に必要以上の力を行使して怪我をさせた場合には、過剰防衛として警備員自身が責任を問われる可能性もあります。
不審者対応は、個人の能力だけでなく、チームとしての連携が鍵を握ります。たとえば、大規模なイベントで不審者を発見した場合、警備員一人で対応しようとすれば、混乱を招く可能性があります。こうした事態を防ぐためには、事前に明確な役割分担を設定し、迅速かつ効率的な対応が可能な体制を構築することが求められます。
さらに、不審者対応におけるスキルを向上させるためには、日常的な訓練が不可欠です。シナリオを想定した訓練を定期的に実施することで、緊急事態における判断力や冷静さを磨きます。また、施設やイベントの特性に応じた対応方法を学ぶことで、現場ごとに対策を講じることができるようになります。
警備業務において、不審者を見分ける基準は、行動と見た目の2つの側面から総合的に判断します。
まず、行動面では、周囲の状況にそぐわない不審な行動が挙げられます。例えば、特定の場所に長時間留まる、その周辺を徘徊する、落ち着きなくキョロキョロと周囲をうかがう、関係者以外立ち入り禁止区域に侵入しようとする行為などです。
次に、見た目では、顔を隠すような深い帽子やサングラス、季節外れの服装などに注意が必要です。しかし、不審者は目立たない普通の格好をしていることが多いため、見た目だけで判断するのではなく、行動と合わせて見ることが重要です。
これらの兆候を早期に察知し、適切な対応をとることが事件の未然防止につながります。
不審者を見分ける上で、その行動は重要な手がかりとなります。通常の通行人や利用客と異なり、不審者はその場所の目的とは関係のない、不自然な行動を取ることが多いです。
例えば、特定の場所に長時間とどまり、頻繁に周囲をうかがったり、同じ場所を何度も行ったり来たりするうろつき行為が挙げられます。また、利用客が立ち入らないような場所や、関係者以外立ち入り禁止の区域に侵入しようとする行動も不審と判断されます。
さらに、周囲の状況に不釣り合いな緊張感や、不自然に落ち着きのない様子も警戒すべきサインです。
具体的な例としては、突然物陰に隠れたり、警備員の視線や防犯カメラの存在を過剰に意識したりする行動です。これらは、何かを企てている心理状態の表れと考えられます。これらの不審な行動を早期に発見し、速やかに対応することが、事件や事故の未然防止につながります。
見た目だけで不審者を判断するのは難しく、差別的な見方につながる危険性があるため注意が必要です。しかし、状況と照らし合わせて違和感のある点は、警戒すべき要素となり得ます。
例えば、季節に合わない厚着や、顔を隠すような深い帽子、サングラス、マスクといった服装です。これらは、身元を隠す意図がある可能性が考えられます。また、特定の制服や作業着を着ていても、その業種や会社のロゴが入っていない、または不自然な点がある場合も注意が必要です。
しかし、不審者は必ずしも怪しい服装をしているわけではありません。むしろ、周囲に溶け込もうとごく普通の格好をしていることが多いです。そのため、見た目の違和感だけでなく、不審な行動と合わせて総合的に判断することが重要です。
不審者対応は、警備員にとって高度な判断力と冷静さが求められる場面です。警備員自身の安全を確保しながら、周囲の人々の安全を守るためには、冷静に状況を把握し、適切な行動を取ることが欠かせません。また、判断に迷った場合でも、焦らずにチームや上司と連携し、最善の対応を模索する姿勢が重要です。
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参照元:警備保障タイムズ:本紙独自調査 2022年警備業売上高ランキングhttps://kh-t.jp/articles/ranking2022.html